カメ水槽にブクブクは必要?ベテラン飼育者が教える理由と夏のニオイ対策

投稿日:2026.07.29|
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水棲カメの飼育設備で迷いやすい物の一つが、エアレーションです。
魚と違いカメは肺呼吸ができるので、エアレーションを設置して水中に酸素を送る必要性はあまり感じられません。
では、なぜカメ水槽でブクブクが設置されていることが多いのでしょうか。
実はエアレーションの役割は酸素供給だけにとどまらず、水流を付けて水中のよどみを解消したり、バクテリアの働きを活性化して水質の悪化を防いだりなど、様々な側面を持っています。
カメ飼育をスムーズに進めるメリットも多いので、状況に応じてエアレーションの設置を検討してみましょう。
今回は、カメ水槽におけるエアレーションの必要性を解説します。エアレーションを使う本当のメリット、そして失敗しないコツまでご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにカメ水槽のブクブクを解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
肺呼吸ができるカメを飼育する上でエアレーションは必須ではありませんが、設置することで水質管理や臭いの軽減など様々なメリットを得られる可能性があります。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、カメ水槽のブクブクを解説します。
カメにブクブク(エアレーション)は必要?

エラ呼吸の魚を飼育する水槽では、状況に応じて水中に酸素を供給するエアレーションを設置しますが、肺呼吸であるカメの場合、エアレーションは必須の設備というわけではありません。
しかし、酸素供給以外の目的でエアレーションを設置したほうが飼育がスムーズに進むケースがあります。
ここでは、カメの水槽にエアレーションが不要な理由とエアレーションの役割について解説します。
カメに酸素供給は必要ない

普段は水の中で生活する水棲カメですが、人間と同じく肺を使って呼吸をしており、息継ぎが必要になると自分で水面まで上がります。
魚のエラのように水中の酸素を取り込めるような仕組みは備わっていないため、水中の酸素量が少なくてもカメに影響が出ることはなく、酸素供給目的でのエアレーションは無くても問題ありません。
この点は、魚をメインに考えるアクアリウムとは大きく異なるポイントでしょう。
カメ水槽にエアレーションを使う目的
呼吸目的ではないとなると、なぜ多くの飼育者がカメ水槽にエアレーションを設置しているのでしょうか。
簡潔に言うと、エアレーションには水槽の水をきれいに保ちやすくする効果が期待できるからです。
カメは食欲旺盛でフンの量が多く、水を汚しやすい生き物。特に夏場は水温の上昇も重なって、独特の臭いや濁りが発生しやすくなります。
そこでエアレーションをすると、酸素の多い環境を好む好気性バクテリアの働きが活発になり、水をきれいに維持しやすくなります。また、水流ができて水面が動くことで、水がよどみにくくなるのもメリットです。
ろ過フィルターを設置している水槽でも、エアレーションを追加することでより清潔な環境を整えやすくなります。
カメ水槽におけるエアレーションは、水質の悪化を抑え日々の管理をしやすくするための補助的なアイテムととらえるとわかりやすいでしょう。
夏場の水温管理にもエアレーションが効果的!

エアレーションは水温が上がりやすい夏場こそ活用したいアイテムの一つです。
エアレーションで水面が動くことで気化熱が促されて、1~2℃程度水温を下げることができます。水槽用クーラーのように確実に設定した水温に維持できるわけではありませんが、冷却ファンやエアコンによる室温管理と組み合わせれば一定の効果を得られるでしょう。
ちなみにクサガメやミドリガメなどの活性や消化吸収が上がる理想的な水温は、25℃~28℃程度と言われています。
真夏は室内水槽でも水温が30℃を超えてしまうことが少なくないため、直射日光の当たる場所を避け、風通しの良い日陰に水槽を移動させるなどの、水温が上がりすぎない工夫することが大切です。
カメ水槽にエアレーションを導入する3つのメリット

カメ自身の呼吸には不要なエアレーションですが、水槽環境を整える上で非常に役立ちます。
ここでは、カメの水槽にエアレーションを導入するメリットを3つ、初心者の方にもわかりやすくご紹介します。
メリット1:バクテリアを活性化して悪臭を予防
カメ水槽からドブのような嫌な臭いがするときは、水中の酸素が不足して嫌気性バクテリアが増殖している可能性があります。
嫌気性バクテリアは、水をきれいしてくれる硝化バクテリアとは反対に酸素の少ない場所を好んで活動する微生物の一種で、有機物を分解する際に悪臭の素となるガスを発生させます。特に水温が上がる夏場は、フンや食べ残しの腐敗が進みやすく、悪臭も強くなりがちです。
このようなときエアレーションをして酸欠を解消すると、バクテリアのパワーバランスが変わって好気性バクテリアの勢力が増すため、悪臭の軽減につながります。
ただし、エアレーションだけで根本の原因を改善することはできないため、クリーナーポンプなどを使って底の汚れを取り除くなどの掃除も同時に行ってください。
メリット2:水面の油膜を解消できる
餌に含まれる油分が水中に溶け出すと、水面に油膜が張ることがあります。
水面がギラギラして見えたり、薄い油の膜のようなものが浮いていたりする状態で、見た目が悪いだけでなく、水面から取り込まれる酸素を阻害するため、見かけたら対策が必要です。
エアレーションは油膜対策に有効な手段の一つとして知られており、水面を揺らすことで油膜を散らし、発生そのものを予防できます。
メリット3:水温のムラをなくす
エアレーションで水流を付けると水が水槽内をしっかり循環するようになり、水槽全体の温度を均一にしやすくなります。
水は光に近い水面や水槽用ヒーターの周辺など、熱源に近い場所ほど暖まりやすい性質があり、広い水槽の中では意図的に攪拌しない限り場所による水温差が生まれやすいです。
水槽内に水温のムラがある状態は、そこで暮らすカメにとって大きな負担となるため、水流を付けて全体をの水温を均す工夫をしましょう。
失敗しない!カメ水槽でエアレーションを使うときの注意点とコツ

エアレーションは水質維持や水温管理のサポートに役立ちますが、使い方を誤るとカメの負担になることがあります。
カメに合った水流になるよう調節し、エアレーションに頼り切らず基本的な管理を怠らないことが大切です。
ここでは、カメの水槽にエアレーションを導入する前に知っておきたい注意点と管理のコツをご紹介します。
水流の強さを調整する
エアレーションのパワーが強すぎると水槽内で大きな水流となり、カメに負担をかけてしまうことがあります。
特に小型種や幼体の場合は強い水流が苦手で、流れに逆らうことで体力を消耗したり、落ち着いてエサを食べられなくなったりする場合もあるため要注意です。
エアー量を調整できるポンプであれば、最初は弱めに設定して様子をみましょう。水質や水温の維持が目的であれば、小さな泡が水面を軽く揺らし水槽内を水がゆっくり循環する程度でも十分な効果が期待できます。
ポンプで調整できない場合は、壁や石の近くにエアレーションを設置して水流をぶつけて勢いを弱める方法がおすすめです。
水槽内に水流が穏やかで休める場所を作ってあげましょう。
基本はこまめな水換えで水質管理
ろ過フィルターやエアレーションを設置していても、定期的な水換えは必要です。
確かにろ過フィルターやエアレーションには、汚れの分解を促進したりろ過をサポートしたりする役割がありますが、すべての汚れを完全に除去できるわけではないからです。特にバクテリアが有機物を分解したときに最終成果物として残る硝酸塩は、水換えで取り除かない限り水中にたまっていってしまいます。
カメ水槽の水換えは週1~2回、全体の1/3~半量程度を交換するのが目安です。
この時クリーナーポンプを使って水と一緒に底の汚れを吸い出すと、効率的に水をきれいにできます。水換えする水はカルキを抜いた水道水を使用してください。
水槽の大きさや飼育数によって適切な頻度は異なりますが、水の濁りや臭いが気になる前に交換すると清潔な環境を維持しやすくなります。
番外編:別容器で餌やりをして水の汚れを防止する
水を汚れにくくする方法として、餌を与えるときだけカメを別容器へ移すのもおすすめです。
タッパーや小さなプラケースに少しだけ水を張り、そこで餌を食べさせれば、餌の養分が水中に溶け出すのを防止できます。カメは食事後にフンをすることが多いため、排泄を確認してからメイン水槽に戻すとさらに効果的です。
毎回カメを移動させる手間はかかりますが、水換えの負担や夏場の臭いに悩んでいる方は試してみてはいかがでしょうか。
ただし、移動を嫌がるカメや警戒心の強い個体には無理をさせないでください。カメの様子を見ながら、負担にならない範囲で取り入れることが大切です。
まとめ:カメ水槽にブクブクは必要?ベテラン飼育者が教える理由と夏のニオイ対策

カメ水槽のブクブクについて解説しました。
カメは肺呼吸ができるため、呼吸のためにエアレーションを設置する必要はありません。
カメ水槽でエアレーションを使う本当の目的は、水質や水温の管理をサポートするためです。水中へ酸素を送り込むと好気性バクテリアが活動しやすくなり、嫌な臭いや油膜の発生を抑える効果が期待できます。
また、水面を揺らすことで水温を下げたり、水を循環させて水温のムラを少なくしたりできる点もメリットでしょう。
ただし、エアレーションだけで夏場の高水温を管理することは難しいため、必ず他の方法を併用してください。
エアレーションは便利な設備ですが、劇的な効果があるものではありません。必要に応じて水換えの回数や量を調整し餌やりの工夫をすることで、夏場の臭いや水の濁りをさらに抑えやすくなります。
エアレーションの意味を正しく理解し、大切なカメとの暮らしをより快適なものにしてください。


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