水槽のお掃除生体がコケを食べない理由とは!ヌマエビなど種類ごとに解説

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「コケ対策にエビや貝を入れたのに、全然コケが減らない」と感じたことはありませんか。
お掃除生体の導入は継続的なコケ予防に効果的と紹介されていることが多く、飼育するだけでコケのお悩みが解消されると考えがち。
しかし実際には、入れてみてもあまり効果が出なかったり、むしろコケが増えたりしてしまったという話を聞くことも多いです。
実は、お掃除生体は品種によって得意なコケが異なるため、水槽の状況に合わせて適切な生体を選定する必要があります。また、魚の餌を食べて満足していたり、環境が合わず動きが鈍っていたりすると、本来のコケ取り能力を発揮できないため、コケを食べてくれる地盤を整えることが大切です。
今回のコラムでは、お掃除生体がコケを食べない理由について解説します。
各種類ごとの特徴や、コケを食べてもらうための対策なども解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにお掃除生体がコケを食べない理由を解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
お掃除生体が思うようにコケを食べてくれないときは、生態の特性や飼育環境を確認しましょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、お掃除生体がコケを食べない理由を解説します。
水槽のお掃除生体がコケを食べないよくある理由4つ

お掃除生体を導入しているのにあまりコケが減っていないと感じるときは、水槽内に何かしらの原因があることがほとんどです。
ここでは、お掃除生体がコケを食べない理由を4つご紹介します。
ご自宅の水槽に当てはまるものがないか、確認してみてください。
魚の餌を食べている

コケを食べない理由として最も多いのが、魚用の餌をお掃除生体が食べて満足してしまっているケースです。
魚たちに与える人工飼料はエビや貝にとっても良い餌であり、目の前に落ちていれば積極的に捕食します。水槽の底に沈む餌の食べ残しの量が多いとそちらでお腹が満たされてしまうため、わざわざコケを探してまで食べることがなくなり、思うようにコケが減らないという悪循環に陥ることがあるでしょう。
コケが減らないと感じるときは、まず魚が餌を食べ残していないかを確認してみてください。
コケの種類が好みに合っていない

お掃除生体は品種によって、コケの好みがはっきりと分かれています。
例えば水草に絡みつくようなやわらかいコケを好む生体もいれば、ガラス面に付いた茶ゴケを削り取るのが得意な生体もいます。また、硬く固着する斑点状のコケや黒ヒゲゴケなどは、好んで食べる生体が限られるため、ピンポイントで生体を選んで導入しなければなりません。
お掃除生体と言ってもどんなコケでも食べてくれるというわけではないため、どのコケを処理したいのかを明確にしたうえで、効果的な生体を選ぶことが大切です。
水質や水温が合わず、元気がない
水質や水温があっていないと、お掃除生体の動きが鈍くなり食欲も落ちてしまいます。
この場合は、まず環境を整えでお掃除生体の健康や活性を取り戻したうえでコケを食べさせるのが適切です。
特に注意したいのが冬場の低水温で、オトシンクルスのような熱帯地方原産のお掃除生体は、水温が下がりすぎるとコケを食べないどころか体調を崩してしまう危険があります。
国産種であれば逆に、夏場の高水温に注意が必要です。
お掃除生体にしっかり働いてもらうには、その種類に合った水温と水質を保つことが欠かせません。
コケを食べないときは、生体に合う環境になっているかも確認してみてください。
他の生き物が怖くて隠れている

混泳相手との相性が悪いとお掃除生体が隠れてしまい、コケを食べる量が減ることがあります。
お掃除生体の仲間は基本的に大人しめの性格をした種類が多く、大きな魚や気の強い魚と一緒だとストレスを感じて、行動が鈍ってしまいがち。また、口が大きい魚や肉食魚相手だと、ふとした拍子に食べられてしまう可能性もあります。
このような危険と隣合わせの環境では、石の隙間や水草の奥に隠れたまま出てこなくなり、ガラス面や水草に付いたコケを食べる機会も減ってしまいやすいです。
お掃除生体を入れているのに姿をあまり見かけない場合は、混泳相手に追われていないか、隠れっぱなしになっていないかも観察してみてください。
【種類別】得意なコケ・苦手なコケと食べない理由

お掃除生体を選ぶときは水槽に生えているコケの種類を意識し、そのコケが得意な生体を選んで導入することが重要です。
ここでは代表的な4種類のお掃除生体について、それぞれの特徴とコケを食べない理由や対処法を解説します。
ヤマトヌマエビ・ミナミヌマエビ
ヤマトヌマエビやミナミヌマエビなどのヌマエビ類が好んで食べるのは、水草に絡みつく糸状のコケや、やわらかいコケです。
中でも体が大きいヤマトヌマエビは食べる量が多く、コケの種類が合えばあっという間に水槽をきれいにしてくれるでしょう。
一方で、ガラス面に張り付いた硬い斑点状のコケや、黒ヒゲゴケはあまり得意ではなく、ガラス面に丸く残る緑色のコケが目立つ水槽を、ヌマエビだけで完全にきれいにするのは難しいです。
また、ミナミヌマエビは体が小さいため、水槽内のコケの量に対して数が足りないと効果を感じにくいことがあります。
この場合はある程度まとまった数を導入して除去効率を上げるのがポイントです。
オトシンクルス
オトシンクルスが得意とするのは、ガラス面や水草の葉に付く茶ゴケです。
茶ゴケは、立ち上げたばかりのまだ環境が安定していない水槽に発生する茶色い汚れのようなもの。飼育水のろ過サイクルが確立すればおのずと解消されていきますが、汚らしく見えるため、オトシンクルスに食べさせてきれいにしつつ環境の安定を待つのがおすすめです。
一方、オトシンクルスは水草が繁茂するような良好な環境の時に生える、糸状コケやフサフサしたコケはあまり食べません。茶ゴケが無くなると食べ物が不足して痩せてしまうことがあるため、コケの種類を確認しながら必要に応じて植物性の人工飼料を与えると安心です。
石巻貝などの貝類
石巻貝などの貝類は、ガラス面や石に付いた茶ゴケ、硬い緑色の斑点ゴケに対して高い効果を発揮します。
ガラス面をゆっくり移動しながらコケを削り取るように食べるので、きれいになるまでに少し時間はかかりますが、広い面に付いたコケを地道に掃除してくれるため、恒久的なコケ対策として有効です。
一方、水草の葉先に絡むような糸状コケや葉についたコケの除去は苦手なので、水槽全体をきれいにしたいときは他のコケ対策をとの併用を検討してください。
また、石巻貝などは何かの拍子にひっくり返ると、自力で起き上がれないことがあります。そのまま放置すると弱ってしまうため、見つけたときは優しく元に戻してあげましょう。
サイアミーズ・フライングフォックス
サイアミーズ・フライングフォックスは、多くのお掃除生体が苦手とする黒髭コケやアオミドロを食べてくれる貴重な魚で、流木や石、フィルターのパイプなどに付く、黒いフサフサのコケ対策によく導入されます。
ただ、コケをよく食べるのは若い個体のみで、成長するとあまりコケを口にしなくなることも多いです。
コケを食べなくなってしまったら、熱帯魚用の人工餌で飼育をするようにしましょう。
また、体が大きくなるにつれて行動範囲が広がり、強気な性格が際立つようになります。いつのまにか水槽内で目立つ存在になり、他の魚にちょっかいを出すこともあるため、混泳相手や水槽サイズには注意が必要です。
黒髭コケを食べてくれるのは嬉しいですが、成長後の大きさや性格を考慮する必要がある生体と言えます。
一目でわかる!コケとお掃除生体の相性早見表

お掃除生体ごとのコケの好みは非常に複雑です。
そこで、アクアリウムに多いコケと定番のお掃除生体の相性が一目でわかる早見表を作成しました。
水槽に生えているコケの種類と、導入を検討しているお掃除生体を照らし合わせるときの参考にしてみてください。
| 糸状・軟らかいコケ | 茶ゴケ(珪藻) | 硬い斑点状のコケ | 黒ヒゲゴケ | 特徴・導入時の注意点 | |
|---|---|---|---|---|---|
| ミナミヌマエビ | ◎ | △ | × | × | 体が小さいため、効果を実感するにはある程度まとまった数が必要。 |
| ヤマトヌマエビ | ◎ | △ | × | × | 体が大きくコケ取り能力が非常に高い。お掃除生体の定番種。 |
| オトシンクルス | × | ◎ | × | × | ガラス面や葉の茶ゴケを吸う。コケが減ったら人工飼料で餓死対策を。 |
| 石巻貝などの巻貝 | × | ◎ | 〇 | × | 硬い斑点ゴケも削り取る。ひっくり返ると自力で起き上がれない。 |
| サイアミーズ・フォックス | 〇 | △ | × | ◎ | 貴重な黒ヒゲゴケ対策に。大きくなると気が荒くなり人工飼料を好む傾向あり。 |
こちらはあくまで一般的な傾向をまとめたものであり、水槽の環境や混泳している魚との相性によってもコケ取りの効果は変わります。
思うような効果が出ないときは、水質や水温を確認したり、別のコケ対策を併用して対応するのがおすすめです。
コケを食べてもらうための対策

お掃除生体に効率的にコケを食べてもらうには、コケを食べるような下地作りが欠かせません。
ここでは、お掃除生体にコケを食べてもらいやすくなる具体的な対策をご紹介します。
熱帯魚の餌の量を減らす
お掃除生体がコケを食べないときは、まず魚の餌の量を見直してみましょう。
水槽内に食べ残しが多いと、お掃除生体がそちらを優先して食べてしまい、コケを食べる機会が減ってしまいます。
コケを食べてほしいのに、餌で満腹になってしまっては意味がありません。
餌量の目安は、魚が1分程度で食べきれる量です。少し物足りないかもしれないと感じるくらいが、実はちょうど良く食べ残しを減らせます。
また、餌の食べ残しが減ると水中に溶け出す養分量が減って、コケ自体が生えにくくなるのも利点です。
ただし、極端にエサの量を減らす必要はありません。魚の痩せ具合や食いつきを見ながら、少しずつ適量を探していくとよいでしょう。
頑固なコケはスポンジなどでお掃除する
いくら環境が整っていても、お掃除生体だけで水槽内のすべてのコケを完全に取り除くのは不可能です。
特に硬く固着したコケや、びっしりと広がってしまったコケは、生体だけでは対応しきれないため、水換えのタイミングでスポンジや専用のスクレーパーを使って手動で取り除きましょう。
また、コケの種類によっては放置するとリスクがある点にも注意が必要です。
例えば茶ゴケ(珪藻)は水質が不安定なときに発生しやすいため、見かけたら問題になる前に水質チェックや水換えをすることをおすすめします。
黒髭コケは除去が遅れると固着して取りづらくなりますし、藍藻は広がると生き物に悪影響な成分を放出するため、これらのコケは早めに対処が必要です。
お掃除生体だけに任せるのではなく、定期的に人の手で掃除する習慣をつけることが、清潔な水槽を保つ近道となります。
まとめ:水槽のお掃除生体がコケを食べない理由とは!ヌマエビなど種類ごとに解説

お掃除生体がコケを食べてくれない理由について解説しました。
コケ解消のためにお掃除生体を導入したにも関わらず、思うような効果が出ないときは、水質や水温、混泳相手やコケとの相性を確認してみましょう。
特にコケの好みは重要な問題で、せっかくお掃除生体を導入しても水槽に生えているコケが好みでないと全く食べてくれません。お掃除生体によって得意なコケが異なるため、お悩みのコケの種類を確認した上で、効果的な生体を選ぶことを意識してみてください。
さらに、お掃除生体に任せきりにするのではなく、水換えなどタイミングでしっかりコケ掃除をすることも、清潔な水槽を保つポイントです。
今回ご紹介したコツを参考に効果的にお掃除生体を導入してコケのないきれいな水槽を目指しましょう。
生体との相性や飼育環境を丁寧に整えれ場、少しずつ改善が見込めるはずです。
ほかにもさまざまなコラムがありますので、ぜひそちらもご覧ください。


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