アクアリウムコラム

貝の生死を確認する方法!なぜ動かない?貝が弱っている状態も解説

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石巻貝やフネアマ貝などの貝類は、水槽に生えるコケや餌の残りを食べてくれる有能なお掃除生体として様々な水槽に導入されています。
最近ではゴシキカノコ貝やカラーサザエ石巻貝などの色彩や形状がユニークな種類が登場し、鑑賞目的での人気も上昇中の注目ジャンルです。

しかし、貝類は魚やエビと比べて体調の良し悪しの判断が難しいことも。
しばらく動いていないと「死んでしまったのかな…」と不安に感じることも少なくありません。

そこで今回のコラムでは、貝の生死を確認する方法と貝が弱っていることを見分けるサインについて解説します。
水槽で飼育している貝が「なぜ動かないのか?」「弱っていないか心配…」という方は、ぜひこのコラムを参考にしてください。

プロアクアリストたちの意見をもとに貝の体調や生死を確認する方法を解説

オフィスで水槽のメンテナンスを行う青い服のスタッフの背中
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

水槽の低層をにぎやかにしてくれる貝類は、様々な水槽で活躍する人気の生体である一方、体調の変化を察するのが難しく気づいたら死んでしまっていたということも多いです。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、貝の体調や生死を確認する方法を解説します。

貝が動かない?活動が鈍くなる理由4つ

石の上の貝とエビと背景に茂る水草
コケを探して水槽の中を活発に動き回っていた貝が、ある日突然動かなくなってしまうことがあります。
体調を崩してしまったのではないかと不安になるかもしれませんが、貝の活動が鈍る原因は体調不良以外にも考えられるため、まずは冷静に状況を見極めましょう。

以下は、貝が動きを止める主な理由です。

  1. ただ休んでいるだけ
    魚やエビと同じく、貝も動きを止めて休息を取ります
    貝の場合は一度の休憩期間が数時間~数日間に及ぶことがあり、その間は同じ場所でじっとしているように見えることもあるでしょう。しかしよく観察してみると微妙に触覚や口を動かしていたりするため、細かく時間をかけて確認してみるのがおすすめです。
  2. 夜行性・薄暗い場所を好む
    貝の多くは夜行性で、明るい場所を避けて活動します。水槽が明るい日中は流木や石の下などに隠れて動かないようにみえても、夜は活発に活動しているケースがあるため、時間を変えて観察してみましょう。
  3. 水質や水温が合っていない
    水質や水温の急激な変化水質が弱酸性に傾き過ぎている場合に、貝の動きが鈍くなる、または殻に閉じこもってしまうケースが見られます。魚やエビに比べると、貝の水合わせはざっくりしてしまいがちなのですが、やはり貝も水質や水温変化でダメージを受けることを覚えておきましょう。
  4. エサとなるコケがない
    餌となるコケがなくなり、餓死寸前で動けなくなっている可能性があります。水槽のガラス面などの状態を確認したり、貝の目の前に沈下性の餌を落としたりなどして動きを確認するのも良い方法です。

貝の生死を確認する方法

水槽のガラス面に付着する2匹の貝と背景の水草
貝が動かなくなる理由はいくつかあり、問題ないケースも多いため、活動が鈍くなっていたらまずは数日様子を見守りましょう

しばらくたっても全く動いている様子がない、変化がないというときは、貝が死んでしまっている可能性を視野に状態を確認します。

臭いを嗅ぐ

貝の生死を確認する方法一つ目は、臭いを確認することです。

動かなくなった貝を水槽から取り出して臭いを嗅いでみてください。少しでもドブのような生臭い腐敗臭がするときは、残念ながらその貝はすでに死んでしまっています
亡くなってしまった貝をそのまま水槽に入れておくと急激な水質の悪化を招くため、臭いがした場合はすぐに水槽から取り出して、適切に供養しましょう。

触ってみる・反応を見る

石巻貝やフネアマ貝、ヒメタニシなどの巻貝は、元気なときはガラス面にしっかり張り付いてコケを食べます

じっとして動かない状態が続いているときは、軽くつまんで反応を確かめてみましょう。もしガラス面や石からスッと簡単に剥がれてしまうならば、すでに死んでいるか、かなり弱っている状態です。

また、貝殻から出ている身体の部分に優しく触れてみるのも方法の一つ。元気な貝は軽くつついただけで、キュッと身体を奥へ引っ込める反応がみられます。
これはマシジミやドブ貝などの二枚貝でも同様で、殻が半開きになっている状態の時にピンセットなどで軽く触れると、すぐにピッと殻を閉じるのが正常な反応です。

反対に触っても反応がなく身や殻がそのままの状態のときは、亡くなってしまっていると考えられます。

中身が空っぽ

持ち上げた貝の中身が空っぽの時は、弱っていたり死んでしまったりした貝が、混泳している生き物に食べられてしまった後です。

この場合も当然ながら復活する可能性はないため、残念ですが水槽から取り出しておきましょう

要注意!貝が弱っている危険なサイン

底砂の上を移動する縞模様の貝と赤い小型エビの群れ
貝は魚のように見た目に体調不良や病気の症状が現れづらく、異変に気付くのが難しい生き物です。しかし、実は死んでしまう前の弱っている段階でわずかなサインを発していることも少なくないため、少しでも異変を感じたら丁寧に観察して状況を改善してあげましょう。

以下は、貝が弱っていると考えられるサインの例です。

  1. 頻繁にひっくり返っている
    石巻貝やフネアマ貝は、一度ひっくり返ると自力で起き上がることができません
    そのままにしておくと動けず死んでしまう危険があるため、ひっくり返っているのを見つけたら、すぐにピンセットなどで元の状態に戻してあげてください

    また、健康な貝は何かの拍子がない限りそう簡単にひっくり返らないため、もし頻繁にひっくり返ってしまうようなときは貝が体調を崩して吸着力が弱っている可能性があります。この場合は、後述の酸欠や水質、水温の異常を確認しましょう。

  2. 水面付近に集まっている
    貝が水面ギリギリまで登って集まっているようなときは、飼育水の水質悪化や酸欠を疑います。
    特にヒメタニシは酸欠になると水面近くで口を動かすような様子を見せるため、エアレーションの追加や水換えをして環境を改善しましょう。
  3. 触角がダラリとしている
    貝の触覚が力なくダラリとしているときは、動いていても体力を消耗して弱っている可能性が考えられます。
    元気な貝は触角をピンと張って盛んに動かし、周囲を確認するような様子を見せるからです。
    貝の触角に力が無くなる原因は、アンモニア濃度の上昇や水質、水温の急激な変化が考えられるため、水質検査薬や水温計で飼育水の状態を確認してください。必要に応じて水換えや水温の調整を行います。

アクアリウムの定番種でみる!貝の種類別弱った症状

水草の近くを移動する水槽内の大きな巻貝の仲間
貝が弱ってしまったときの症状の出方は、種類によって微妙に異なります

ここではアクアリウムの定番種である5種類の巻貝・二枚貝を例に、体調不良のときのサインを解説します。

石巻貝

(生体) 石巻貝 イシマキガイ 5匹+保障1匹 合計6匹

水草水槽やボトルアクアリウムなどでも見かける石巻貝は、弱ってくるとガラス面に張り付く力が低下して、下に落ちてしまいやすくなります
ひっくり返ると自力で起き上がれないので、定期的に状態を観察して戻してあげましょう

淡水水槽で飼育されることが多い貝ですが本来は汽水域に生息しており、実は酸性寄りの環境があまり得意ではありません。特に弱酸性に管理している熱帯魚や水草水槽では短命になりがちで、ソイルを使用している水槽での平均寿命は1年程度と言われています。

一方低水温には強く、中性~弱アルカリ性の水槽なら2年くらいの長期飼育が可能です。

フネアマ貝

(エビ・貝)無選別 フネアマ貝(3匹) 北海道・九州航空便要保温

フネアマ貝も、ひっくり返ると自力で起き上がれない巻貝の代表格です。
ガラス面に張り付く力がとても強く、無理に引き剝がそうとすると身がちぎれてしまうことがあるため、優しく扱いましょう

反対に簡単にガラス面からポロっと落ちてしまう時は、死んでいるか、すでにかなり弱っている証拠。早急に水質や水温を確認し、環境改善に着手してください。

ヒメタニシ

(エビ・貝)ヒメタニシ(10匹)(+1割おまけ)

ヒメタニシはコケはもちろん、水中の微生物やプラントンまで食べて水を透明にしてくれる”ろ過摂食”をすることで知られています。
貝類の中でも水質浄化能力が高く、ビオトープなどに採用されることも多い貝です。

日本にも広く生息し、強健なイメージのあるヒメタニシですが、実は環境変化に非常に敏感水槽の異常をいち早く察知する、バロメーターのような役割を果たしてくれます。

水質が悪化すると殻のフタを閉じたり、水面付近へ集まったりする様子が見られるため、このような行動が見られたら、すぐに水質や飼育環境に変化が無いか確認するようにしましょう。

マシジミ

(エビ・貝)マシジミ Sサイズ(10匹)(+2割おまけ)

マシジミは酸欠に弱く、高温や酸素濃度が低い状態が続くとすぐに調子を崩してしまいます
砂に潜らずにずっと砂の上で口を半開きにしているときは、かなり危険なためすぐに水槽の状態を確認しましょう。

また、餓死しやすい傾向もあるため、長期飼育するにはグリーンウォーターなどを上手に取り入れて給餌をする必要があります。

ドブ貝

(エビ・貝)ドブ貝(6匹)

ドブ貝はタナゴの産卵母貝としてよく飼育される二枚貝です。
泥や細かい砂を敷いた環境を好みますが、マシジミと同じく酸欠に弱く、砂の上で口を半開きにしていたら危険が迫っているサイン。早急にエアレーションなどを行いましょう。

ドブ貝は体が大きいため、死んだまま放置していると水質が一気に悪化して、他の生体にも悪影響が出ます。ドブ貝を飼育しているときは生死確認を定期的に行い、異変があったらすぐに水槽から取り出すように心がけてください。

まとめ:貝の生死を確認する方法!なぜ動かない?貝が弱っている状態も解説

金属製のトレイに並べられた複数の黒いシジミの仲間
アクアリウムではお掃除生体として定着している貝類ですが、魚に比べて不調のサインがわかりづらく、気づいたら弱ってしまっていたということが少なくありません。

しかし、動かなくなっているからと言って、すぐに体調不良や死んでしまったと判断するのは時期尚早です。
貝類は夜行性で明るい時間は休んでいることが多いため、時間帯を変えながら数日間じっくり観察して状態を判断しましょう。

動かない貝からドブ臭いにおいがする、触っても反応が無い中身が空っぽといったときは残念ながら亡くなってしまっているため、水槽から取り出してください。
貝の多くは水質や水温変化に敏感で、弱酸性よりも中性~弱アルカリ性の水質を好みます。また、気付かないうちに餓死してしまうケースも多いため、沈下性の餌やグリーンウォーターなどでしっかり餌が食べられるように意識してあげましょう。

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執筆者 Hara.kazu

子どもの頃から魚や昆虫を飼育し、アクアリウム歴は約30年になります。
グッピーやプラティ、ネオンテトラなどの入門魚飼育から始まり、シクリッドのブリーディングなどを経て、最近ではアクアテラリウムのレイアウトを楽しんでいます。

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